残念な名古屋城の庭と花

ほったらかしで荒れ放題!(北見昌朗撮影)

名古屋城の樹木は、手入れをされていなので、方々で枯れています。松などは剪定もされていないので景観をそこねる存在になっています。この樹木を整備して年中花が楽しめるようにして、写真スポットを作るのです。そこに広告を載せれば収入になります。

西

南西

名古屋城の年間パスポート券が2000円だというのをご存じでしょうか? 私も最近それを購入しました。この半年間にかこれこれ6回も行きましたので、もっと早く購入すれば良かったと思います。

北見昌朗が見に行くのは、実は本丸御殿でも天守閣でもありません。お目当ては「庭と花」です。

北見昌朗は庭と花に関してまったく知りません。興味もありませんでした。知っていたのは桜と梅ぐらいで、他は知りませんでした。ところがある先生との出会いがあり、その先生の“熱”が感染してしまったのです。

先生は、山高佳雄氏です。山高先生は1937年生まれです。県立稲沢高校の造園土木科で30年以上も教諭をされていた方で、その後も造園の技能検定の委員までされておられるので、その道の一流の方です。

その山高先生と名古屋城の庭を歩いた時です。山高先生はいきなり嘆き始めました。目の前の草木を見るなり

「ああ、木が枯れてしまっている。肥料が足りないからだ」
「ああ、こんなに雑草が生えてる」
「ああ、あの松は剪定されていないので、ボウボウだ」
「残念だ。残念だ。残念だ」

山高先生の嘆きは延々と続きます。
一番、印象深かったのは天守閣を眺めた時です。本丸を指さしながら
「あそこに松があるでしょ。本丸は多聞櫓(たもんやぐら)があった所だから、もともと松なんてなかった。その松が手入れもされないので、ボウボカボウです。おかげで天守閣をバックに記念撮影ができない。記念撮影のスポットぐらい作ってほしい」

北見昌朗は驚きました。本丸に松が生えているのは普通の風景だったからです。
そこで山高先生に質問しました。

「じゃあ、どうすれば良いのですか?」
「桜とカエデを交互に植えれば良い。そうすれば春と秋に楽しめます」
「へえ、ナルホド、そんなことができればベストビュースポットですね」

北見昌朗の目は、ここから変わってきたのです。だって、ベストビュースポットを作れば、そこで広告を取れるではないですか? つまり名古屋城は収益源を手に入れたことになるのです。

その山高先生は、こうもおっしゃいました。
「建物は一回見ればもう良いでしょ? でも花なら毎年見たいでしょ?」
「ナルホド、ということは毎年の入場者数が維持されるということですね」

こうして北見昌朗はすっかり山高先生にかぶれていったのです。

名古屋城の救世主、それは山高先生です。最近では、自分一人でも歩いて見て回るようになり、こんな写真も自分で撮るようになりました。